損失が出そうな場合のリスクヘッジ~貸倒引当金について解説

決算書作成の疑問
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今貸しているお金が回収できなさそうなんだけど。

こういった場合に帳簿的にはどうすればいいのかな?

今回は、貸し倒れ引当金について以下のことを解説していきます。

〇貸倒引当金とは

〇貸倒引当金勘定の使い方

〇貸倒引当金の計算方法

貸倒引当金とは

貸倒引当金とは、事業から生じた売掛金、貸付金などの金銭債権の貸し倒れなどによる損失の見込額を引き当てる、つまり準備するお金を言います。こうしてあらかじめ必要経費として計上しておいて、いざというときの貸倒損失を防ぐ、もしくは軽減することができます。

貸倒引当金の使い方

その年の必要経費とする見込額を「貸倒引当金の繰入額」といい、その繰り入れた金額は、翌年分の所得の計算の際、総収入金額に加算します。その金額のことを「貸倒引当金の繰戻額」といいます。

貸倒引当金の計算方法

貸倒引当金繰入額の計算方法には、事業所得のある青色申告者に適用される「一括評価方式」と、事業的規模の不動産所得、事業所得または山林所得を生ずる事業を営む個人事業者に適用される「個別評価方式」があります。

対象となる債権繰入額の計算
一括評価方式①売掛金
②事業上の貸付金
③受取手形
④未収加工料・未収請負金・未収手数料・その他事業所得の収入となる債権
年末の貸金の帳簿価額の合計額の5.5%以下
(金融業の場合は3.3%以下)
個別評価方式①会社更生法による更生計画認可の決定など一定の理由により弁済の猶予または賦払いの決定がされる場合
②災害、経済事情の急変などで取り立ての見込みがない場合
③破産法による破産手続きの申し立て、手形交換上による取引停止処分などの一定の事由がある場合
④外国政府の債務履行遅延などにより価値が著しく減少または弁済が著しく困難な場合
それぞれの事由に応じた限度額

※一括評価方式では、差し入れた保証金・敷金・預け金、支払った手付金・前渡金、仮払金・立替金・雇用保険法などの給付金などの未収金、仕入割戻の未収金、同一人に売掛金と買掛金があるなど実質的に債権と認められない部分の金額などは貸倒引当金の対象とはなりません。なお、平成27年1月1日以後引き続き事業を営む青色申告者は、平成27年及び28年を基準とする簡便法で対象となるか資金を計算できます。

※個別評価方式では、確定申告書とともに個別評価による貸倒引当金に関する明細書を提出します。なお、個別評価方式と一括評価方式を併用する場合は、個別評価方式により必要経費に算入した金額の基礎となった債権を一括評価方式をおこなう債権から除きます。

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