会社勤めで給与などを得た場合は、給与所得として計算をします。
今回は給与所得について、以下の通り解説していきます。
〇給与所得の範囲
〇給与所得の計算方法
〇給与所得の計算
〇給与所得者の特定支出の控除の特例
給与所得の範囲
給与所得とは、労働の対価として受け取る報酬のうち、雇用契約などに基づいて支給される給料、賃金、賞与などを言います。青色事業専従者給与も給与所得になります。
給与所得の課税方法
給与所得は総合課税で計算します。原則として源泉徴収が行われます。給与所得のほかに所得がない人は給与支払者(勤めている会社など)が行う年末調整により、所得税等が精算されるので確定申告は不要になります。
給与所得の計算
給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いた残額が、給与所得の金額になります。
給与所得控除後の給与所得の金額 | ||||||
給与等の収入金額 | 計算の過程 | 給与所得の金額 | ||||
1円~550,999円 | A | 0円 | C | |||
551,000円~1,618,999円 | A | Aー550,000円 | 円 | C | ||
1,619,000円~1,619,999円 | A | 1,069,000円 | C | |||
1,620,000円~1,623,999円 | A | 1,070,000円 | C | |||
1,624,000円~1,623,999円 | A | 1,072,000円 | C | |||
1,624,000円~1,627,999円 | A | 1,074,000円 | C | |||
1,628,000円~1,799,999円 | A | A÷4 | B | B×2.4+100,000円 | 円 | C |
1,800,000円~3,599,999円 | A | A÷4 | B | B×2.8ー80,000円 | 円 | C |
3,600,000円~6,599,999円 | A | A÷4 | B | B×3.2ー440,000円 | 円 | C |
6,600,000円~8,499,999円 | A | A×0.9ー1,100,000円 | 円 | C | ||
8,500,000円~ | A | Aー1,950,000円 | 円 | C |
次のアに該当する場合は、Fの金額、イに該当する場合はIの金額、両方に該当する場合はFとIの合計額を所得金額調整控除額として給与所得の計算金額Cから控除します。
ア.給与等の収入金額Aが850万円を超え、①本人、同一生計配偶者、扶養親族のいずれかが特別障害者であるか、②23歳未満の扶養親族がいるとき
給与等の収入金額A | Dー850万円 | 所得金額調整控除額(E×0.1) | |||
(最高1,000万円) | ←D | ←E | ←F |
イ.給与所得の金額Cと公的年金等の雑所得の金額があり、その合計額が10万円を超えるとき
給与所得の金額C | 公的年金の雑所得の金額 | 所得金額調整控除額([G+H]ー10万円) | |||
(最高10万円) | ←G | (最高10万円) | ←H | ←I |
給与所得者の特定支出の控除の特例
その年中の特定支出(通勤費、職務上の旅費、転居費、研修費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費など)の額の合計額が給与所得控除額の2分の1に相当する金額を超えるときは、その超える部分の金額を給与所得控除後の金額から控除することができます。この特例の適用を受けるためには、給与所得の源泉徴収票以外に、特定支出に関する明細書や給与支払者の明細書などを添付(提示)して、確定申告を行う必要があります。
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