退職所得とは、退職金などの一時に受け取る給与等による所得になります。
今回は、この退職所得について、以下の通り解説していきます。
〇退職所得の範囲
〇退職所得の課税方法
〇退職所得の計算(一般退職手当等の場合)
退職所得の範囲
退職所得とは、退職により勤務先から一時に受け取る退職手当などの給与、厚生年金基金や確定給付企業年金などを年金に代えてすべて受け取る一時金、小規模企業共済制度で一括に受け取る共済金・準共済金や65歳以上の人の任意解約などの解約手当金、中小企業退職金共済制度の一時払いの退職金、労働基準法に基づく解雇予告手当、未払賃金立替払制度に基づき国が弁済する未払賃金などの所得を言います。
※本人の死亡によって家族などが受け取る死亡退職金は相続税の対象になり、所得税ではありません。
退職所得の課税方法
退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算します。なお、退職手当などの支払いの際に退職所得の受給に関する申告書を支払者に提出し、退職所得の金額に応じて所得税等が源泉徴収されている場合は、原則として確定申告の必要はありません。どう申告書を提出せず、退職手当などの支給額から一律20.42%の所得税・復興特別所得税が源泉徴収されている場合は、受給者本人が確定申告を行い税額を精算します。
退職所得の計算
退職所得の計算式のあらましは以下の通りです。
(収入金額ー退職所得控除額)× 1/2 = 退職所得の金額
※上記の計算式は、一般退職手当等の場合です。勤続年数が5年以下の役員等が支払いを受ける特定役員退職手当等の場合、勤続年数が5年以下の役員等以外の者が支払いを受ける短期退職手当等の場合は、計算方法が異なります。また、その年に支払いを受けた退職手当等の勤続期間tが前年以前に支払われた退職手当等の勤続期間と重複する場合、同一年に2か所以上から支払いを受けた場合なども、計算方法が異なります。詳しくは国税庁HPまたは最寄りの税務署にお問い合わせください。
※収入金額は、源泉徴収される前の税込金額です。など、確定給付企業年金規約により支給される退職一時金などで、従業員自信が負担した保険料や掛金がある場合には、その支給額から保険料や掛金の金額を差し引いた金額が退職所得の収入金額になります。
※退職所得控除額は、以下により求められます。勤続年数は、1年に満たない端数があるときは1年に繰り上げます。障碍者になったことが直接の原因で退職した場合は、以下により計算した金額に100万円を加算します。
勤続年数 | 退職所得控除額(一般退職手当等の場合) |
20年以下 | 40万円 × 勤続年数(計算結果が80万円未満の場合は40万円) |
20年超 | 800万円 × 70万円 × (勤続年数ー20年) |
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