ちょっと特殊な必要経費~減価償却費について解説①

決算書作成の疑問
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なんか、車や大きい機械を高額で買った時、それをそのまま経費にすることができない、と言われたんだけど、どういうこと?

今回はちょっと特殊な必要経費、減価償却費について以下の通り解説します。

〇減価償却とは

〇減価償却資産の種類

〇減価償却資産とならない資産

※減価償却費は非常に計算や種類が多いことから、数回に分けて解説します。

減価償却とは

減価償却とは、建物、機械装置、車両などの高額な資産の取得価額を取得した年の費用にせず、耐用年数にわたって一定の方法で取得価額を配分して、各年の費用に分けて計上することです。費用のことを減価償却費、対象資産を減価償却資産といいます。

取得価額については、購入、製作、贈与、相続など取得の方法により内容が異なります。

購入では資産自体の代金と付随費用(業務に使い始めるまでに直接かかった費用)の合計額となります。例えば自動車の場合、車両本体価格と付属品代、納車費用などが取得費用にすべて織り込まれます。その他定期的に発生する税金、保険料、検査登録費用などは、それが発生した年の必要経費として租税公課や支払保険料などに計上することになります。

耐用年数とは対象資産を使用できる「期間」のことです。減価償却資産は、使用すればするほど物理的に損耗し、価値が下がり、そして、いつかはその資産が持つ本来の価値を喪失します。耐用年数が5年の減価償却資産の場合、5年間かけて減価償却費を計上します。金額が同じ資産でも、耐用年数が短ければ毎年の減価償却費はその分多くなり、耐用年数が長ければ少なくなるということです。ちなみに、耐用年数はその価値を維持するために補修を行ったり、通常の作業条件下で使用されることを前提として「年数」が法令・規則等で定められています。よって、同じ種類の資産であっても耐用年数が異なる場合もあるため注意してください。

減価償却資産の種類

減価償却資産は、有形、無形の減価償却資産および生物に分類されます。

区分種類
有形減価償却資産建物、建物附属設備、構築物、機会及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品
無形減価償却資産鉱業権(採石権などを含む)、漁業権(入漁権を含む)、水利権、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、ソフトウェア、営業権など
生物牛、馬、豚、かんきつ樹、りんご樹、ぶどう樹、茶樹、桑樹など

建物付属設備とは、冷暖房設備やエレベーターなど建物に附属する設備のことを言います。

構築物とは、橋や煙突など、土地に定着する土木設備又は工作物です。

生物とは、繁殖用、種付用などの用途に使うものです。観賞用、興行用その他これらに準ずる用途に使うものは、器具及び備品として取り扱います。

減価償却資産とならない資産

以下の資産は、減価償却の対象となりません。

区分内容
時間の経過により
価値が減少しないもの
〇土地、土地の上に存する権利(借地権、地上権等)
〇電話加入権(携帯電話・自動車電話の利用権除く)
〇歴史的価値や希少価値のある一定の美術品など
〇貴金属の素材の価額が大部分を占める固定資産
棚卸資産、建設または
製作中の資産など
〇棚卸資産(商品、製品、原材料、貯蔵中の消耗品など)
〇現に稼働していない資産(業務に使用する部分を除く)
〇建設または製作中の資産(業務に使用する部分を除く)

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